2009年08月18日

技術とアート

 先日は科学とアートのお話をしました。今日は技術とアートのお話をします。

 技術はギリシャ語でTechnikといい、語源テクネー(techne)には「手仕事・芸術」といった意味があります。また、技術とは二つの面、すなわち産物を生成する過程とその結果できあがったものを指します。そして、産物を生みだす働きを「わざ」といって、これがartです。
 したがって、職人さんの手仕事はartであり、作品もまたartということになりますね。

 しかし、このようにかつて人間の身体の近くにあった技術は、産業革命とともに大がかりな機械文明となり、人間の身体から次第に離れていくことになります。この結果、元来人間の福祉のために作られた工学(技術)が、環境問題のように人間の存在自体を脅かすようになります。

 今度は、アートによって再び人と技術をつなぐ時でしょう。私たちの”ひと”と”まち”を”あーと”でつなぐ活動もまた、それと軌を一にします。

 ニーチェは芸術のみが全体的な自然を意味の遠近法(人間にとって都合のいいモノの見方)ぬきで捉えることができるといいます。つまり、芸術のみが新たな価値(価値の転倒)へと踏み出すことができるというのです。それだけアートには秘めたる力があるということでしょう。



タグ :技術アート

同じカテゴリー(2011年6月までの記事)の記事画像
橋の下から
甲冑着付け体験
押花あーと展
町じゅう美術館
赤穂骨董市
町じゅう美術館のお知らせ
同じカテゴリー(2011年6月までの記事)の記事
 橋の下から (2011-05-31 18:25)
 甲冑着付け体験 (2011-04-30 16:08)
 押花あーと展 (2011-04-20 12:24)
 町じゅう美術館 (2011-02-23 15:54)
 赤穂骨董市 (2011-02-17 14:38)
 町じゅう美術館のお知らせ (2011-02-13 17:26)

Posted by NPO法人ひと・まち・あーと  at 00:38 │Comments(0)2011年6月までの記事

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。